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涙が出るほど京都が好き！

「きょうと、きょうと・・・」 京都駅のホームでこのアナウンスを聞くたび、糺の森の緑、賀茂川の流れ、比叡山のいただき、如意ヶ岳の大文字をのぞむたび、そしてすっかりさまがわりしてしまった実家の跡地を目にするたびに、涙がこぼれます。　

ただ恋い焦がれる京都じゃない。愛しているのにどうしようもなく遠いままのふるさとを思うと、胸が苦しく、せつなく哀しくなります。恋も、人生も・・・京都にはわたしのすべてが、詰まっているのです。

美しい自然に囲まれ、さまざまな京都の文化に育まれながら20数年と過ごしてきたのに、そのことのありがたさに気付いたのは、もう帰っても帰る場所がなくなってからのことでした。知るほどに京都はおそろしく深く、広く、時間や家庭をやりくりしての短い帰郷では思い出をなぞることくらいしかできません。

ふるさとに暮らすこと・・・これがなにものにも代えがたいわたしの夢でした。でもそれが夫のおかげで叶いそうな日が近づいています。

訪ねたい場所は山ほどあるけれど、戻ってからゆっくりでいい。この頃はそんな風に思えるようになりました。旅人ではなく、住人として、ふるさとを歩ける日まで備忘録兼ねて愛する京都を綴ります。

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